「舌きり雀」その4 「おじいさんは、やっとのことで、竹やぶの中に雀のお宿を見つけると・・・」

2012年6月27日

「おじいさんは、やっとのことで、竹やぶの中に雀のお宿を見つけると、舌きり雀に会えました。『申し訳ないことをしてしもうた。大丈夫かな。許してくれ。』」

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「舌きり雀」の4です。ところで「舌きり雀」という日本語はおかしくないですか? 本来ならば、「舌きり雀」ではなく「舌きられ雀」のはず、ですよね。

じつは、このような現象は日本語のなかでとても数多くみられます。「こぶとり爺さん」(こぶをとられる爺さん)、「味付け海苔」(味を付けられた海苔)、まぜごはん(まぜられたごはん)、置き時計(置かれた時計)、焼き魚(焼かれた魚)などなどです。皆さんも他の例をぜひみつけてください。

「舌きり雀」とは「おばあさんが舌を切った雀」であり、「こぶとり爺さん」は「オニがこぶをとった爺さん」であり、「味付け海苔」とは「業者が味を付けた海苔」のことですね。ようするに「舌きり」「こぶとり」「味付け」の動作主はそのあとに置かれた名詞では必ずしもないのです。これは日本語の連体修飾という仕組みと英語の関係節という仕組みのあいだには本質的に異なる部分が存在することを示しています。すなわち日英のあいだでの一対一対応の直訳は必ずしも正しくないのです。

英語です。

 

The old man, with great difficulty, finally found the sparrow home in a bamboo thicket. He saw the sparrow whose tongue was cut off by the old woman, and said, “I am very sorry for what we did to you. Please forgive us. I hope you are safe and well.”

 

「申し訳ないことをしてした」といった謝罪は、丁寧な言葉でいおうとすればI must apologize for…なども考えられますが、気持ちさえこもっていれば、I am very sorry for…で十分だと思います。

 

<今日の出題>

「『わざわざお越しいただきありがとうございます。とてもショックでしたが、私が悪かったのです。夕飯でも召し上がって下さい。』おじいさんは、その晩は雀のお宿で過ごしました。」

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