成瀬由紀夫コラム ことのは道中記

劣悪世代

2010年12月14日

このごろ思うのだが、私(55歳)から上は15歳ぐらいまで下は5歳ぐらいまで、つまり現在50歳から70歳ぐらいのいわゆる「戦後世代」は、歴代日本人のなかでも際立って能力の低い日本人集団ではないだろうか。

考えてみると戦後の焼け跡からはじまって1980年代に日本経済を世界トップクラスにまで押し上げたのは現在の70~90代の世代の日本人であった。戦前に教育を受けた「戦前世代」の人たちだ。そしてこの戦前世代が社会の第一線から退いた1980年代から我々「戦後世代」が社会の中核を占めるようになったが、それからの日本はどんどんと悪くなり、ついには現在のような危機的状況にまで追い込まれてしまった。

もちろんその原因は複合的であるが、最大の原因はなんといっても我々「戦後世代」の能力の低さにある。なぜなら我々がそのあいだ社会を引っ張ってきたのだから。国家財政が破綻したのも、日本経済が弱くなったのも、教育や医療が崩壊したのも、若者たちの目が輝いていないのも、根本的には我々「戦後世代」の責任である。我々「戦後世代」こそが財政を破綻させ、経済を弱くし、教育や医療を崩壊させ、若者たちの活力を奪い去った張本人である。

ところが私も含めてその当事者である「戦後世代」のほとんどが自分たちの責任をしっかりと自覚できていない。それどころか、国家財政を破綻させたとして政治家や官僚を非難し、日本経済が弱くなったといってビジネスリーダーを糾弾し、教育がうまくいかないからといって教師を罵倒し、若者たちの覇気のなさを厳しく指摘する。自分のことは棚に挙げて人のことをあげつらうのだけは一人前、いや三人前なのである。テレビでしたり顔で話をしているキャスターたちや新聞で無記名のまま批判記事を書きつらねている新聞記者たちはその代表例であり、こうした無自覚な無責任さと厚顔無恥ぶりもまた我々「戦後世代」の特徴である。

やっかいなことに少子高齢化(これも我々「戦後世代」が最大の原因である)のために我々「戦後世代」が社会の中核を占める期間はさらに延長されそうである。これほど能力の低い日本人集団が今後も日本社会の中核を占めつづけるのである。これを危機と呼ばずしてなんと呼ぶのか。

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