成瀬由紀夫コラム ことのは道中記

筆写トレーニング

2010年11月26日

先日の授業後、一人の生徒さんがわざわざ私のところにやってきて、先生に紹介された筆写トレーニングにいまハマっています、などといってくれた。最初の授業で「手で読む」つまり筆写の効用を述べたところ、さっそく実行してくれたらしい。

「実際にやってみるとずいぶんと読みの深さが違うものですね。いままできちんと読めていなかったことがよくわかりました」という。友達にも薦めてみるとその友達もハマってしまって「いまは泉鏡花とか写してるみたいですよ」などという。さらに、いまは日本語の文章を筆写しているけれどもいつかは英語テキストの筆写にも挑戦したいともいってくれた。

いやあ、ほんとうれしいなあ。自分の拙い指導がこんなにきっちり相手に伝わっているなんて。非常に感激した次第です。

英語にしても日本語にしても上達するうえで大事なのは「勉強」ではなく「トレーニング」だ。いかに効率的にトレーニングを積み重ねていくか――それこそが勝敗の分かれ目である。

そのトレーニングの最良の方法が先にご紹介した音読とこの筆写である。正しい方法でこの2つのトレーニングをきっちりと積み重ねていけば、日本語や英語なんぞというものは自然と上達するものである。

まあこれを言ってしまうと語学教師はオマンマの食い上げなので、あまり表立ってはいわないものなのかも知れない。それから、最新の言語習得理論がどうのこうのというのは偉い先生方の地位保全と生活のためのものであって、実際の言葉の上達とは無関係だ。

ようするに膨大に声を出して膨大に手を動かすこと、これに尽きる。本当かなあ、などとお疑いの方、騙されたと思ってぜひ一度お試しあれ。

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