成瀬由紀夫コラム ことのは道中記

言葉と音楽

2010年9月2日

今週の火曜日、生バンドとともにロックンロールを歌いながら英語発音を勉強するという、新しいかたちの英語教育プログラムの実演をおこなった。まだまだ足りない面も目立ったが、それなりのかたちにはなったように思う。オーディエンスとしてわざわざ足をはこんでいただいた方々には、ただ感謝の一言である。

実演のあと実演メンバーで打ち上げ会兼反省会をおこなった。そのときミュージシャンと英語教師のあいだで話題となったのが言葉と音楽との近親性であった。

まずミュージシャン側からロックンロールの最大の特徴はバックビートと三連譜(三拍子)にあるという話が出た。どんなにうまく演奏してもバックビートと三拍子がなければそれはロックンロールではないのだという。そしてそれを完全にマスターすることが日本人ミュージシャンにはなかなかに難しいのだともいう。

それを受けた英語教師側からはバックビートとは英語の特徴である強弱アクセントの一形態で、三拍子は英語の基本リズムだという話がなされた。いっぽう日本語は高低アクセントで、その基本リズムは三拍子ではなく二拍子である。そしてこのために日本人が英語を完全にマスターすることはなかなかに難しいのである。

音楽と言葉という異なるジャンルではあるが、どうやらロックミュージシャンと英語教師は同じことを別角度からアプローチしているようである。ルートこそ違うが同じ山頂を目指してともに登山をしている感じである。

ということはロックミュージシャンが英語を勉強し、英語学習者がロックンロールを勉強することは、お互いにきわめて有意義なはずである。今回の試みの大きな可能性があらためて見えてきたようにも思えた。

日本人による日本人のための英語教育を確立するというのが私の最終的な目標だが、その目標に向けて、ほんの少しだが前進できたような気がしている。

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