成瀬由紀夫コラム ことのは道中記

音読トレーニング

2010年11月12日

私が受け持っている翻訳コースでは最初に音読トレーニングをおこなっている。きちんと音読ができなければテキストは理解できず、翻訳もできないからだ。

音読トレーニングで気をつけるべき点は、音のかたまりは意味のかたまりだということである。受講生に音読してもらうと、ひとつひとつの音にはかなり注意を払いながら読んでいるが、イントネーションやストレスにはあまり注意を払っていない。それ以上に、続けて読むべきところと切らなければならないところの識別にはほとんど注意を払っていない。

これは逆である。音読において最も大事なことは、どこまで続けて読んで、どこで切るかをしっかり意識することである。それが本当に理解できているかどうかの判断基準になるからだ。もし続けて読むべきところを切ったり、切らなければならないところを続けて読んだりするなら、たとえネイティブのような流暢な発音で読んでいたとしても、読んでいることにはならない。ただ声を出しているだけである。逆に発音があまり上手ではなくても、続けるべきところをしっかり続け、切るべきところをしっかり切っているならば、それは読めている。つまり意味がきっちりとれているということである。

音読は発音の訓練のように思われがちだが、本当はリーディング訓練そのものである。もちろん発音がうまいにこしたことはない。しかし私たちは国際英語としての英語を学んでいるのだから、英語ネイティブのように発音できる必要はない。それよりも、続けるべきところと切るべきところに十分に注意を払いながら、意味をしっかり理解して読みすすめるべきだろう。

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