「からす なぜなくの からすは山に かわいい ななつの子があるからよ」

2011年10月13日

誰もが知る「七つの子」(作詞 野口雨情、作曲 本居長世)です。1921(大正10)年に発表されました。カラスはいまでこそ嫌われ者ですが、万葉集に「可良須」(からす)として出てくるように日本人にはなじみの深い鳥です。

歌詞ではカラス、カワイイ、カラスのなきごえなど「カ」が全体の基調音となっています。

音節の出だしの音はすべて「あ」行でそろえてあります(か…、な…、か…、や…、か…、な…、あ…)。子どもの数が「みっつ」「よっつ」「いつつ」「むっつ」などではなく「ななつ」であるのも、出だしの音を「あ」行でそろえるためと思われます。

さて英語です。これもグレッグ・アーウィンさんの『英語で歌う、日本の童謡』に訳詩がありますので、それをご紹介します。

Mother crow
Why do you cry?
Up there on the mountain high
“In my nest are seven little babies
That is the reason why”

cry, high, whyがという脚韻を踏んでいます。日本語の原詩が「あ」行で頭韻を踏んでいるのとは対照的で面白いですね。英語は脚韻に向いている言葉ですが、日本語はどちらかといえば頭韻に向いている言葉です。「あおによし、ならのみやこは、さくはなの、…」「どんなときも、どんなときも、ぼくがぼくらしくあるために、…」などなどです。

カラスはcrow。語源は印欧祖語のcorで、カラスの鳴き声をあらわした擬音語です。印欧語では英語のみならず、ラテン語でcorvus、イタリア語・ボルトガル語でcorvo, フランス語でcorbeau、スペイン語でcuervo、ドイツ語でKrähe、オランダ語でkraai、デンマーク語でkrageなどなど、カラスという語はすべて「カ」音ではじまります。

じつはもうひとつ面白い説があります。それはラテン語のカラス(corvus)はサンスクリット語の「黒い」を意味するkalas(またはkaras)からきているというものです。そう、日本語のカラスと同じ発音なんです!

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