「しのぶれど 色に出でにけり わが恋は ものや思ふと 人の問うまで」

2011年10月18日

平兼盛の一首。「拾遺集」に載っており小倉百人一首にもエントリーされています。「小倉百人一首」とは京都の小倉山に住んでいた鎌倉時代のスター歌人である藤原定家がピックアップした和歌のアンソロジー(異なる作者による詩を集めたもの)。西暦600年頃から1200年頃までの600年の代表的な歌人の歌が年代順に配列されています。600年間の膨大な和歌をたった100人で代表させようというのですからかなりの無理筋ですが、その思い切った力技がチャーミングといえばチャーミング。ちなみに百人一首が「かるた」として遊び始められたのは戦国時代から。はじめは宮中や諸大名の大奥などで行われ、それが年間行事となりました。

歌の意味は「人に知られまいと恋心を隠していたが、とうとう隠し切れずに顔色に出てしまった。何か考えごとをしているのではと人に尋ねられるほどに」。名歌だそうですが、個人的には何がいいのかさっぱりわかりません。大阪弁でいえば、アホちゃうか、といったところ。鎌倉時代の貴族たちはよほどひまだったんでしょう。

さて英語です。これもKenneth Rexrothの訳です。

Although I hide it
My love shows in my face
So plainly that he asks me,
“Are you thinking of something?”

My love shows in my faceは直訳すると「私の愛が私の顔のなかに見える」。昨日はenjoyという動詞に自動詞用法がないことを説明しましたが、今日のshowには、逆に(他動詞用法だけでなく)自動詞用法もあるのです。たとえばYour slip is showing. (スリップが見えているよ)というように使えます。日本人でshowの自動詞用法を使いこなせる人はあまりいません。うまく使えるとポイントゲットですね。

think of は「~について考える」。think of somethingは「何かそのものについて」考えているというイメージですが、think about somethingは「何かも含めてその周辺について」幅広く考えているというイメージです。ちなみにthink somethingは「何かを考えている」といっているだけ。

Categories: 新着情報 日英翻訳1日1題