「みんなやさしいけど、吾郎さんがいちばんやさしいです。私と結婚してくれたから。  謝謝。多謝。おやすみなさい。」

2011年11月29日

浅田次郎の小説をもとにした映画『ラブ・レター』のセリフ。日本に売り飛ばされて暴力団のもとに売春をさせられている中国人女性と、その女性と偽装結婚させられた日本人のチンピラ男との物語です。二人は会ったことはないのですが、夫婦です。中国人女性は、片田舎の売春宿で亡くなり、その遺骨をチンピラ男がとりにいきます。この物語、せつないです。泣けます。

この文章は、その女性からチンピラ男への日本語での手紙の一節。この前に以下の文章があります。

「ここはみんなやさしいです。組の人もお客さんもみんなやさしいです。海も山もきれいでやさしいです。ずっとここで働きたいです。謝謝。それだけ。海の音きこえます。吾郎さんきこえますか。」

うー、せつないなー。書き写しているだけでまたウルウルしてきた・・・。

さて英語です。

Everybody is so kind,
and Goro-san is the kindest of all because you let me marry you.
Thank you. Thank you so much. Good night.

日本語の「~てもらう」「~てくれる」「~てあげる」などは日本語文法で「やりもらい動詞(授受動詞)」と呼ばれています。日本語独自の性質をもった動詞グループで、英語の動詞にはこれに直接にあてはまるものがありません。

そこで「結婚してくれた」→「私があなたと結婚するのを許した」にしました。英語で「許す」を表すには 、let (相手の意志どおりにすることを許す)、permit (積極的に許可を与える)、allow (禁止しないまたは黙認する)、make (強制的にも非強制的にも相手にさせる)、などがありますが、ここではletを使いました。

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