「サッちゃんはね サチコっていうんだ ほんとはね だけど ちっちゃいから 自分のこと サッちゃんて呼ぶんだよ おかしいね サッちゃん」

2011年10月12日

ごぞんじ「サッちゃん」(作詞 阪田寛夫、作曲 大恩中)の出だしです。1959(昭和34)年に発表された名曲。私の大好きな童謡のひとつです。

でもじつはこの詩を1題に選んだあと、かなり悔やみました。なぜかというと、こりゃ、とても英語にならないからです。

そもそも英語の一人称はどんな場合でもIです。男性でも女性でも3歳でも80歳でも泥棒でも貴婦人でもIはI。それ以外にはありません。一方、日本語で自分のことを指す場合には、わたし、ぼく、おれ、あたい、わたくし、自分、わし、わがはい、それがし、せっしゃ…、まだまだありますね。

日本語では、自分で自分の名前を呼ぶのも女の子の場合にはOKですが、それでも自分のことを「ちゃん」づけでは呼びません。「ちゃん」という親しみをこめた呼びかけは相手に向かって使うもので、自分に向けて使うものではないからです。この詞はその面白さも狙っているのですが、日英の文化や言語の本質的な違いを越えて、それをどうやって英語にするのか…。自分で選びながらも、頭をかかえる始末。結局のところ、以下のようにしました。

Sachiko is a lovely little girl
We call her “my dear little Sachi”
And she calls herself “my dear little Sachi,” too
How funny and cute she is!

“my dear little Sachi”は「親愛なるちっちゃなサッちゃん」という呼びかけ。それをサッちゃんが自分でも使うというふうにしてみました。それにしても、翻訳ってむずかしい。

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