成瀬由紀夫コラム ことのは道中記

レオナルド・ダ・ヴィンチ翻訳プロジェクト

2012年5月24日

こんどの土曜日に「レオナルド・ダ・ヴィンチ翻訳プロジェクト打ち上げ会」をニューロカフェ東京で開催する。プロジェクトではレオナルドの遺した手稿をサイマルの仲間たちで翻訳した。その翻訳者など、15名が外苑前に集まる。

今回の翻訳プロジェクトは、翻訳業界として異例中の異例。15人の翻訳者がサイト上で情報をすべて共有し、綿密に相談をしながら翻訳をした。

もうひとつの特徴は、翻訳者全員が自分のつくれる最良の翻訳をつくろうと、必死で努力したこと。時給100円を下回った人もいたのではないか(笑)。

だが、これでよい。なによりも大事なのは、品質。ただ、それだけ。いまの翻訳者に必要なのは、自分がつくれる最良のものをつくろうとする強い決意、意思、実行力。それだけだと、私は信じる。そう信じている翻訳関係者は、それほど多くないだろうけど。

サイマルは、いいなあ。こんな青臭い話がまだ通じるんだから。サイマルがなかったら、私なんぞはとうの昔に翻訳者を辞めていたかもしれない。

翻訳は、おもしろい仕事です。ただし、本気でいいものをつくろうとすれば、の話。本気になれる条件はどんどん少なくなっているけれど、全部なくなってしまったわけじゃない。それに、これから自分たちでそうした仕事を新しくつくっていけばよい。今回がその一歩になればいいなあ。

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