「人を動かすことのできる人は、他人の気持ちになれる人である。そのかわり、他人の気持ちになれる人というのは自分が悩む。自分が悩んだことのない人は、まず人を動かすことはできない。」

2012年5月8日

本田宗一郎の第10弾です。これは三段論法です。人を動かせる←他人の気持ちになれる←自分が悩む、です。否定形にすると、人を動かせない←他人の気持ちになれない←自分が悩まない、となり、これが最後の一文というわけです。

この論法は論理的には間違っています。「裏」(converse of contrapositive)は必ずしも真ではないからです(必ず真なのは「対偶」(contraposition)のみです)。でもそんなことは、まあどうでもいい。実際には、このとおりですよね。

さて英語です。

Those who can influence others must have the ability to be empathetic with others. But if you are empathetic with others you cannot help but taking on others’ worries. Those who don’t take on other’s worries cannot influence others.

empathyは、その人の心の内部へ入って、その苦しみや悲しみを、まさに自分の苦しみや悲しみとしてそのまま受け取ること。いっぽうsympathyは、相手の悲しみや不安などを過去や現在の自分の感情と呼応させて、自分の中の悲しみや不安として感じること、とされています。しかし実際には、そこまで厳密な使い分けがなされているわけではないようです。


<今日の出題>
「当時、一生懸命がやたらと尊ばれた。たんなる一生懸命には何ら価値がないことを為政者は教えなかった。だから国民は一生懸命が価値を持つためには、正しい理論に基づくことが前提条件だということを悟らなかった。」

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