「島唄よ 風に乗り 鳥とともに 海を渡れ」

2011年11月3日

THE BOOMの『島唄』のサビの部分です。作詞作曲は沖縄でなく山梨出身の宮沢和史。ちなみに島唄とはもともと奄美群島の民謡のこと。1992年にリリースされ大ヒットし、さらにはアルゼンチンでも「SHIMAUTA」として大ヒット、アルゼンチンのグラミー賞といわれるガルデル音楽賞を受賞し、2002年サッカー日韓ワールドカップのアルゼンチンチーム応援歌ともなりました。

この曲にはいろいろな観点からいろいろな意見があるようですが、現代日本を代表する曲のひとつであることは間違いありません。私自身はこの歌をつうじて沖縄のメロディをさらに好きになりました。いい歌です。

さて英語です。世界で歌われている曲なので当然ながら英語バージョンがあります。ここでは宮沢とイギリスのソプラノ・シンガーIZZYとのデュエットで歌われている日英混合バージョンの歌詞から紹介します。ユーチューブ(http://www.youtube.com/watch?v=jmPlxIJ_l7w)で聴けますので一度聞いてみてください。

Shima-Uta, my island
ride the wind
together fly like birds
across the ocean waves

とくに解説はいりませんね。よい翻訳だと思います。

ただし「島唄よ」がShima-Uta, my island に、「鳥とともに」がlike birds(鳥のように)になっているところは、個人的にはすっきりしません。

たしかにfly like birdsは英語できわめて一般的な表現であり、いっぽうfly with birds(鳥とともに)はあまり一般的ではありません。

またfly with birdsは音韻的にfly like birdsほどきれいではありません。fly like…だと[lai]という音が2回続いて軽やかでリズミカルですが、fly with…はそうではないからです。

でもこの歌のいちばんのポイントは、島で歌われた歌が鳥たち「とともに」海を越えていくところなのではないでしょうか。

つまり人々の歌う歌には「魂」が宿っているのです。そしてその魂が同じく魂を宿す鳥たちとともに海を越えていく。そうした光景が私たちの心を揺さぶるのではないかと思います。ですから私としては歌詞を次のように変えたいと思います。

Shima-Uta, my soul
ride the wind
together fly with birds
across the ocean waves

こうすると西欧的感覚では少しわかりにくくなるかもしれません。西欧では歌や鳥のなかに「魂」が宿っているという感覚が薄いからです。でもだからといって私たち自身の感覚を捨てる必要はありませんね。英語であっても私たちの心のあり方をきっちり伝えるようにしたいものです。

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