「恥の多い生涯を送って来ました。 自分には、人間の生活というものが、見当つかないのです。」を英語にすると

2011年8月11日

太宰治の『人間失格』の出だしです。以下の訳はサイデンステッカーのもの。ちなみに『人間失格』の訳はNo Longer Human.

Mine has been a life of much shame. I can’t guess myself what it must be to live the life of a human being.

はじめて『人間失格』を読んだのは40年も前のことですが、当時はさっぱりわかりませんでした。そもそも太宰の作品は何もかもわからなかった。最近読み返してみましたが、共感を覚えました。ただし一般にいわれているような共感ではありません。「人間の生活」とは何でしょう。これが書かれたのは昭和23年。すべての価値観が根底からひっくり返り、ほとんどの人はその新しい価値観を平然と受け入れ、平然と生きていました。それが「人間の生活」。太宰にとってはただただ不気味であり、そして恐怖だったことでしょう。訳語は本当にthe life of human beingでいいのいかしらなどとつい思ってしまいます。

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