「春はあけぼの」を英訳すると…

2011年8月8日

いわずとしれた『枕草子』の出だしの一部ですね。以下、出だし全体とその訳をご紹介します。訳については国会図書館の資料からとってきました。ちなみに国会図書館では英訳本だけでなくドイツ語、オランダ語、ロシア語、チェコ語、ルーマニア語、中国語などの訳本も所蔵しているようです。やはり図書館は重要ですね。

「春はあけぼの。やうやうしろくなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる雲のほそくたなびきたる。」

“In spring it is the dawn that is most beautiful. As the light creeps over the hills, their outlines are dyed a faint red and wisps of purplish cloud trail over them.” (Ivan Morris)

“In spring, at dawn, the dark mass of the mountain lightens little by little at the edge and slowly the blue mists float away. How lovely.” (Nobuko Kobayashi)

今回の課題でいえば、最初の“In spring it is the dawn that is most beautiful.”が、私たちにとってターゲットとなる訳文でしょう。簡単そうですが、なかなかこう訳せないものです。

もちろん、Spring is dawn.は、誤訳中の誤訳です。これでは、春=夜明けになってしまいます。日本語の「AはBである」と英語のA is B.が本質的に異なるものであるということは言語を本格的に勉強した人であればほとんどが知っている有名な事実ですが、一般には意外と知られていないようです。

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