「私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う。どこのでも、どんなのでも、それが台所であれば食事をつくる場所であれば私はつらくない。」を英訳すると…

2011年8月9日

吉本ばななの『キッチン』の冒頭です。『キッチン』​を最初に読んだときの感想は「日本の文学オジサンにめちゃ受けす​るぞ。」でした。現代の文学オジサンたちには絶対に欠けないもの​だからです。それでいて清少納言以降の日本文学の正統からはずれ​てはいない。というよりもその嫡子である。これで受けないはずが​ない。英訳です。

The place I like best in this world is the kitchen. No matter where it is, no matter what kind, if it’s kitchen, if it’s a place where they make food, it’s fine with me. ( Megan Backus)

「だと思う」が訳されていません。訳せないからです。「と思う」​を「I think」と訳すと誤訳です。最後の「つらくない」も訳されて​いません。It’s fineは「つらくない」じゃない。でもこの出だしで本当に心に​突き刺さるのは訳されていない「だと思う」と「つらくない」です​ね。ほんと翻訳ってウソです

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