「苦しくたって 悲しくたって コートのなかでは へいきなの」 を英語にすると

2011年9月1日

1968年~1971年にかけて一世を風靡した漫画・テレビアニメの「アタック No.1」のテレビアニメにおける主題歌の出だしです。「アタック No.1」は「サインはV」と並ぶバレーボールの二大スポコン漫画。これにくわえてテニスの「エースをねらえ」が、少女漫画界の三大スポコン漫画といえるでしょう。私自身は、そのなかでこの「アタック No.1」が一番好きでした。なんでかなあ。さて英語です。とにかく、できるかぎりシンプルにしました。

However hard, however sad, I am fine in the court.

however~は「たとえいかに~であっても」という構文。同様に、whatever~なら「たとえ何が~であっても」、whenever~「たとえいつ~であっても」の意味です。ever(いついかなるときでも)は、古期英語から存在するゲルマン系の語彙で、ラテン語系の語彙のような合理的で冷たいイメージはなく、非常にウェットで情緒的な意味合いを含んでいます。基本的に英語の語彙は大昔からあるゲルマン系の語彙と、あとから入ってきたラテン語・ギリシャ語系の語彙の2つに大別されます。ある内容を表現する際には、ほぼ必ずゲルマン系語彙とラテン系語彙の2つの表現体系が存在します。ゲルマン系の語彙がウェットで情緒的なイメージ、ラテン系の語彙が冷たくて理知的なイメージです。ここではhardにはarduousやlaborious、sadにはlamentableやdeplorable、fineにはpleasantが対応します。ですから内容だけをみれば、However arduous, however lamentable, I am pleasant in the court.でもいいのですが、それでは感情がまったくこもりません。日本語にいえば「いかに困難かつ遺憾であろうとも私はコートの中では快適である。」といった感じです。

このように英語で表現するときにも、場面ごとにマッチした表現方法があります。これを間違えると、たとえ内容は同じでも自分のいいたいことを本当の意味でうまく伝えることはできません。

(これまでの「日英翻訳1日1題」については「成瀬由紀雄ホームサイト」(https://sites.google.com/site/narusehomesite/)をご覧ください)

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