「閑かさや 岩にしみいる 蝉の声」を英語にすると

2011年8月16日

もちろん、芭蕉の有名な俳句ですね。以下に3つの英訳を示します。さて、どれがよいでしょうか。


how silent!
the cicada’s voice
soaks into the rocks.
  

Up here, a stillness ー
the sound of the cicadas
seeps into the crags.


What stillness!
The voices of the cicadas
Penetrate the rocks.


1がよいと答えた人、これは少し問題です。1は、Arthur Binardというアメリカ人の日本研究者がJR池袋駅のポスターでみつけたもの。もちろん日本人がつくったものであり(まちがいなく)、英語としてひどいので、エッセイのなかで取り上げているしろものです。どのようにひどいのかについては、以下のサイトをみてください。とくにhow silent!には注目です。

http://www.web-nihongo.com/back_no/column_01b/040721/index1.html

2がよいと答えたひと、これはなかなかの目利きです。さきのArthur Binardが自分でつくってみたものだそうです。これについても解説が上記サイトに書かれています。

3は、Reginald Horace Blythという著名な日本文化研究者が『禅と英文学』(Zen in English Literature and Oriental Classics, 1942)という著書で紹介している英訳です。Blyth訳とBinard訳とのちがいは、soundとvoices、seep intoとpenetrate、cragとrock。Binardは間違いなくBlyth訳を読んでいるはずなので、2は3の改良版といったところではないでしょうか。

欧米でHaikuは私たちが考えているよりもずっと高く評価されています。私たち自身がしっかり再評価すべきだと思います。また自分自身で積極的にHaikuをつくっていくのもよいのではないでしょうか。

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