日本人ビジネスマンのモデルは「欧米に追いつけ追い越せ」「欧米みたいになろう」

2011年10月31日

日経新聞を読んでいると、現在のビジネス分野の日本人のタイプはどうやら2つにわかれるようだ。「欧米に追いつけ追い越せ」タイプと「欧米みたいになろう」タイプだ。たとえば今日(2011.10.31)の紙面では「私の履歴書」の東レの会長だった前田勝之助は前者のタイプ、シンポジウムに出てくるグロビスの堀義人は後者のタイプだ。グリーの田中良和は基本的に後者タイプだが、少しだけ前者タイプのにおいもしないことはない。

基本的には前者タイプのほうが日本人としては優れている。後者は本質的に模倣者でしかない。たとえば堀の発言には欧米の経営者からの引用がちりばめられている。ようするに、ああなりたいのだ。逆にいえば、ああなりたいだけである。その点、前田の発言には日本を欧米に負けないものにしようとする気概がある。ただそこでの問題点は「欧米に追いつけ追い越せ」の原点が太平洋戦争の敗戦にあるということ。追いつき追い越したあとの日本独自の目標が明確でない。そのため現在の日本ではあまり通用しないタイプとなってしまった。

ということで現在の日本のビジネスマンには本当の意味で頼るべきモデルがなくなってしまった。おそらくそのことが「日本人として仕事をする」ことの真の問題点なのだろう。なお付け加えておくが、私はここで日本人としてのモデルの話をしているのであってビジネスマンとして成功するかどうかの話をしているのではない。それとこれとは別である。前田にしても堀にしてもビジネスマンとしては間違いなく大きな成功者であり、そのことは高く評価されなければならない。逆に日本人のモデルとして立派な人物であってもビジネスマンとして成功していない人間は山のようにいる。さらになお付け加えるとビジネス以外の分野、一部のアートや社会的活動では日本独自のモデルがそれなりに生まれつつある。現在の日本全体が独自のモデルをもっていないのではなく、現在の日本のビジネスが確固たる独自モデルをもっていないのである。

Categories: 新着情報