日英翻訳1日1題 「ゆきやこんこん あられやこんこん 降っては 降っては ずんずん積もる」

2011年9月29日

文部省唱歌「雪」の出だしです。ここでは『英語で歌う、日本の童謡』のグレッグ・アーウィンさんの訳詩をみてみましょう。

Snow is falling, plop, plop
Ice is falling, drop, drop
Snowing and blowing
When will it stop?

plopは英語の擬音語のひとつです。英和辞書では「ポトッ、ポトリ、ボトッ、ボトリ、ドブンと音がする、ドサっと置く」などといった説明がついています。「ドブン、ドサっ」系の英語の擬音語としては、このほかにplunk, plonkなどがあります。英語では、最初のplという子音のつながりや最後のpやkといった強い子音の音韻イメージが、日本語の「ポトッ」「ポトリ」「ボトッ」「ボトリ」「ドブン」「ドサ」などのイメージにあたるんですね。

なお、日本語は英語に比べると擬音語がはるかに豊かです。たとえば、花が落ちる様子を表すのにも、「はらはら」「ぱらばら」「ばらばら」では、まったくイメージが違います。英語でこの違いを表現しようとすると、動詞そのものを変えなければなりません。

「あられ」は“hail”といいますが、アーウィンさんは単純にiceとしています。このほうが童謡らしくていいと思います。文末はplopとdropで韻を含ませています。

「降っては 降っては ずんずん積もる」の部分については、アーウィンさんは訳せないと判断して、“Snowing and blowing When will it stop?”(雪や風はいつ止むんだろう)と意味そのものを変えてしまっています。歌ですから、仕方ないですね。意味をしっかり捉えて英語にすると以下のようになります。

It will cover all the world soon.

Itが指すのはもちろん雪。all the worldはちょっと大げさですが、子供たちにとってはまったくそのとおりではないかと思います。

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